BLOGクリニックブログ

韓国の特殊な医師事情

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、韓国は去年から医師が全国的にストライキを行っており、現在も継続中です。

韓国政府と医師の対立長期化、司法闘争も　「患者を犠牲に」募る不満 https://www.asahi.com/articles/ASS5D11PFS5DUHBI01GM.html

そのため卒後研修がストップしており、去年以降卒業したドクターの就職先がなく失業状態でした。
自分の本来の希望の科の研修再開を待っていても、まだ再開のめどがたたないため、本来の進路として希望していなかった美容皮膚科、美容外科に就職してとにかく医師としてのキャリアをスタートさせていくという流れも生まれています。

クリニックを経営する母体としては、美容の専門のドクターを多く雇用するよりも、人件費を大幅に削減して、数多くの医師を雇用する絶好のビジネスチャンスということにもなります。

今回のトレーニングでお話しする機会をいただいた現地ドクターもその一人でした。大変真面目な先生で、数年後に一般の研修が再開される頃には、美容皮膚科で数年キャリアが進んでしまっているので、自分のキャリアパスを慎重に考えていく必要があるとお話しされていました。

ラーニングカーブから考慮すると、２～３年後に診療科を変えてしまうとすべてが中途半端になってしまう可能性が高く、迷っているということでした。

私事ですが、昨年、夫がソウルで入院していましたが、退院した直後からストライキに入っており、大学病院でもストライキのための退職する医師が多く混乱したようでした。幸いにも混乱が本格化する前に退院できて、本当によかったと思ったのを思い出します。

日本では、そのような全国的に医療がストップするようなことが起こらず、普通に治療ができているのはありがたいなと改めて実感しました。

今回のトレーニングを振り返って（総括）

今回、韓国美容がなぜ安価に治療が提供できるのかというからくりがわかり、ずっと疑問だったため、すっきりしました。
こういった、自国とまったく違う医療の市場を知ることは大変良いアイデアをいただくことができます。

銀座たるみクリニックは「大人のための美容医療」をコンセプトにしているため、価格ではなく、それを超える価値を患者さまに届けることが使命です。そのうえで、できるだけ手法を学び、新しい知見を創出する機会を作っていきたいと思います。

2024年は学会出張等が続くため、休診でご迷惑をおかけしますが、バランスを見ながら、視野を広く持って活動していきたいです。その分、診療日には集中して治療に励みますので、引き続き銀座たるみクリニックをよろしくおねがいいたします。

上野美律