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クレーター治療①

最近問い合わせが多くなってきたニキビ跡や、水疱瘡の跡などの、クレーター治療について今日は、書いてみます。

原因

ニキビが悪化し、炎症が収まった後、お肌にクレーターのような陥没や凸凹なものが見られる状態です。
これは、ニキビの炎症によって、肌の深部までダメージが及んでしまったことが原因です。

ニキビ跡がクレーターの状態になってしまうと、瘢痕組織になってしまっているので自宅でのケアは不可能です。
自然治癒は不可能に近いため、医療機関で専門の治療が必要になります。

治療法

治療法には、いくつかの方法がありますので少し解説していきます。

①ケミカルピーリング

皮膚に酸を塗ることで皮膚の角質層から表皮上層部を剥がれやすくし、蓄積された古い角質層を除去することで新陳代謝が促進されます。

ケミカルピーリングは、使用する酸の種類によって効果の違いがあります。
一回で効果のある酸は、酸性が強くダウンタイムが長いのが特徴です。
例えばTCAピーリングは非常に効果が高いといわれますが、ダウンタイムが1-2か月かかるともいわれています。

またダウンタイム中は、紫外線の予防を真剣に実施しなければいけません。
予防を怠るとPIH(炎症後色素沈着)が高い確率で発生します。

またダウンタイムなく、比較的どの方にも使えるグリコール酸などは安全でダウンタイムも短いですが、クレータ治療を目的とする方には気が遠くなるほどの回数が必要になると思います。
(実際私自身は、患者様にはお勧めいたしません。)

②フラクショナルレーザー

レーザーでマイクロドット(小さな点状の穴)を開けて皮膚再生を促進させ、ニキビ跡の改善をさせる治療法です。
簡単に言うと皮膚深部に熱ダメージを与え、新しい皮膚を再生させる方法です。
この再生過程でコラーゲンの再生がおこるため、ニキビ跡に効果が期待できます。

通常ダウンタイムは、1週間程度といわれています(もちろん出力等のパラメータにもよります)。

治療回数は、深いクレーターのニキビ跡の場合は、8-12回ぐらいかかると考えています。
下の図ですが少しわかりづらいかも、しれませんが緑の点線の内側に逆三角形の熱影響の跡が見られます。

③ダーマペン

いわゆるマイクロニードルで表皮や真皮に物理的な微細な穴を開けてその創傷治癒(傷跡を治す)過程でコラーゲンが増えることで皮膚を平坦に近づけていきます。

ここで重要なのは、針に侵入深度つまりどの層まで穴を開けるかということになります。
また当院でも成長因子等が含まれる薬液を皮膚の表面に塗布し針穴に沿って真皮までの浸透を期待しますが、実際に人間の体は外部からの刺激に対して自然に体を守ろうという機能が備わっていますので、傷跡にすぐに血小板を活性化させて針穴をふさごうとします。
この現象を血液凝固のカスケードと呼ばれています。

つまり穴を開けた瞬間からカスケードが始まりますので、なかなか深くまで薬液を進達させることが難しくなってきます。

また一般的にはフラクショナルレーザーに比べて治療回数が多くかかる印象で、約1.5-2倍の回数が必要になるという感想を持っています。

但しダウンタイムはもちろん針の深さにもよりますが、フラクショナルレーザーよりも短く1-3日程度の赤みが出ます。
美容目的で行う場合は多少加減して治療を行うことと、使用する薬剤に抗炎症作用がある場合は、翌日にはめだたたくなっていることが多いですが・・・。

④ニードルRF

フラクショナルレーザーとダーマペンのいいとこどりしたような機器です。
クレーターニキビ治療に革命的な結果をもたらした機器です。

照射後70日間も皮膚の創傷治癒を促すサイトカイン(炎症の調整因子でサイトカインが出ていると細胞の再生があると言われている)の産生が報告されています。
つまり治療後70日間も肌の再生が急ピッチで行われているということです。

また熱の入り方もフラクショナルレーザーは、熱を深く入れようとするとレーザーの特性上表皮に近い(浅い)層が一番ダメージを受けるので、深いクレーター目的で治療する際はダウンタイムが長くなります。

それに対してニードルRFは、針でターゲットの深さまで侵入させて針先から熱を放射するため狙った深さに集中して熱を加えます。
そのため皮膚の表面は保護されるため、ダウンタイムがほとんどなく熱を必要な深さの組織に与えることができます。

下の図で分かる通り、ニードルRFはフラクショナルレーザーと違い狙った層だけに熱影響を与える事が出来ます。
そのため皮膚の表面にはあまり影響を与えず深部だけに最大限にエネルギーを与えることが出来ます 。

私自身これがクレータ-治療の最終系かなと思ったんですが、さらにPotenzaは特有のチップが使えるのです。
そのためPotenza以外の機種のニードルRFと比較して、より多くの薬剤を針穴から皮膚に浸透させる治療も可能です。
(マイクロドラッグデリバリーというそうです。)

このチップを使う際は、使用する薬剤もそれにふさわしい効果の高い薬剤を選択して治療するようにしています。
この内容は次の機会に詳しく書きますね。

上野 美律
銀座たるみクリニック院長。

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